■空軍の戦力ダウンの理由

 韓国軍の歴史を扱う研究所が2013年に発表した報告書によると、1970年代の北朝鮮は韓国の「2倍の航空戦力」を誇っていた。

 しかし、財政・軍事面で大きな後ろ盾になっていたソ連の崩壊と自国経済の悪化により、北朝鮮は1990年代に困窮。

 韓国軍の退役将校、チョン・インブン(Chun In-bum)氏はAFPに、北朝鮮は1991年に韓国と国交を結んだロシアに軍事支援を打ち切られ、さらに核兵器やミサイル開発で厳しい制裁を受けたことで通常戦力の増強・維持費の確保が困難になったために「核開発に専念することにしたのだ」と話した。

■米韓空軍と戦ったら?

 米トロイ大学(Troy University)韓国校上級講師のダニエル・ピンクストン(Daniel Pinkston)氏は「万が一、米韓合同軍との激しい戦闘になれば(中略)北朝鮮の航空・防空部隊はひとたまりもないだろう」と指摘する。

 先ごろ行われた米韓合同航空訓練「ビジラント・ストーム(Vigilant Storm)」でも、資金力や技術の差が浮き彫りになった。米韓両軍が導入したのは、北朝鮮が保有する旧ソ連時代の戦闘機とは対照的な最新鋭機。第5世代のステルス戦闘機F35B1B戦略爆撃機、電子戦機、空中給油機などだ。

 北朝鮮が最近行った弾道ミサイル発射の多くは、敵国の空軍基地への攻撃をシミュレーションしたものだった。

 韓国・世宗研究所(Sejong Institute)の張成昌(Cheong Seong-chang)氏は「北朝鮮は空軍力が弱いため、まずは相手の空軍基地を攻撃して無力化することが重要だと捉えている」との考えを示した。(c)AFP/Claire Lee and Sunghee Hwang