【11月15日 People’s Daily】中国東北部の黒竜江省(Heilongjiang)寧安市(Ning’an)渤海鎮上官地村では、玄武湖米専業合作社(協同組合)のセールスマネジャーの陳雨佳(Chen Yujia)さんが、スマートフォンのライブ中継で地元の石板米の名前の由来をネットユーザーに伝えている。

 独特の自然環境と古来からの伝統的な人工栽培方法によって、石板米は食味がよく、栄養価も高い。2008年、村では田んぼの大規模経営を推進するための合作社を立ち上げた。しかし、伝統的な農法や販売方法のため、村人たちの生活は成り立たず、村の集団経済も一時赤字になった。

 2016年、当時27歳だった陳さんは、起業のために村に戻り、合作社のセールスマネジャーのポストに名乗りを上げ、インターネット思考で米の栽培、加工、販売の各プロセスを改善し、村人たちの収入向上と富を得る道を切り開いた。

 陳さんと合作社の若者2人からなるネットマーケティングチームは、米作りの各プロセスや、村人たちの米作りの様子、そのままの農村生活を消費者に伝えるため、動画を撮ったり、ライブ配信をしたり、ネットショップを開いたりした。オンライン販路の開拓により、口コミマーケティングが成功した結果、陳さんのネット上のファンが増え、ネット注文も徐々に増えてきた。

 同時に、合作社は、種子の選択から栽培、加工までの全工程でグリーンテクノロジーを用い、米の品質向上にも注力してきた。良い米は良い価格で販売される。陳さんは、オンラインでの販売チャンネルを通じて売り上げを伸ばす一方で、ネットユーザーとの交流の中で、販売モデルの改善やサービス体験のグレードアップを図っている。ネットユーザーからの啓発を受け、合作社は、消費者が春に1ムー(約667平方メートル)の田んぼを契約し、秋の収穫後にその田んぼで作られた米を受け取る「認種(種子契約)」モデルを開始し、村に来れば無料で田植えや稲刈りなどの農作業を体験することもできるようにした。「認種」モデルが打ち出されると、大きな反響を引き起こした。「今年は、田植え前に200ムー(約13万3400平方メートル)の有機栽培の田んぼの申し込みがあり、前売り金額は400万元(約8049万円)に迫った」と、陳さんは述べた。

 現在、合作社全体の売上の約1/3がオンラインチャンネルによるものだという。陳さんは、インターネットが地方を活性化させる重要な力になっているとみている。「インターネットを通じて農産物のブランド化を積極的に推進しつつ、勇気を出して先行販売やカスタマイズなどの新しい生産・販売の組み合わせを試し、まだ知られていない深層にある農産物ニーズに応え、より多くの家庭にお届けする必要がある」と述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News