【11月8日 AFP】ポーランドの与党「法と正義」のヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)党首(73)が、若い女性がお酒を飲み過ぎるせいで出生率が低下していると発言し、批判を浴びている。

 カチンスキ氏は5日、「女性が25歳まで同年代の男性と同じくらい酒を飲むという状況が続けば、子どもはいなくなるだろう」と指摘。「男性の場合、平均20年にわたる過度な飲酒によりアルコール依存症になるが、女性の場合はたった2年だ」と語った。

 カチンスキ氏は、「アルコール依存症の男性の3分の1は治療できたが、女性は1人も治せなかった」医師が情報源だとしている。

 女性は母親として成熟していなければならないため、若くして子どもを産むことには賛成しないとも述べている。

 さらに「だが、女性が25歳まで酒を飲んでいるとしたら、これは半分冗談だが、(出生率にとっては)悪い兆候だ」と続けた。

 カチンスキ氏は独身で子どもがいない。

 政治家や女性著名人らは、同氏が現実を把握しておらず、家父長的で、発言自体もばかげていると非難している。

 左派政治家ヨアンナ・シュアリングビエルグス(Joanna Scheuring-Wielgus)氏は7日、カチンスキ氏の発言を「くだらない」と一蹴。「家父長制的な年寄り」だと批判した。

「もちろん笑い話にしたり、ミームを作ったりもできる。しかし、深刻で悲劇的な問題だ」と報道陣に語った。

 ポーランド女性が子どもを持つことをためらうのは経済的な理由に加え、与党「法と正義」が中絶を厳格化したためだとの指摘もある。

 公式統計によると、ポーランドの出生率は1.3強と、欧州連合(EU)の平均や、人口維持に必要な水準を下回っている。(c)AFP