【11月8日 AFP】フランス北部の海岸に7日、けがをした雌のキタトックリクジラが打ち上げられているのが発見されたが、数時間後に死んだ。当局者が明らかにした。

 打ち上げられたクジラの体重は3.5トン、体長は7.6メートル。満ち潮になれば海に戻れると期待されたが、戻る前に死んだ。

 ベルギーのリエージュ大学(Liege University)の海洋哺乳類専門家ティエリー・ジョニオー(Thierry Jauniaux)氏によると、キタトックリクジラは通常、北極圏の水深の深い海域に生息している。ここまで南下してくるのは珍しいという。

 哺乳類保護団体CMNFのトップ、ジャッキー・カルプゾプロス(Jacky Karpouzopoulos)氏はAFPに対し、方向を見失い、海岸に打ち上げられたのではないかとの見方を示した。「40年間この仕事をしているが、このような出来事は初めてだ」

 ジョニオー氏は、最近、ベルギーとオランダの海岸に同種のクジラが多数打ち上げられていると指摘。「海洋汚染か新たな疾病、もしくは海上交通量の増加」により、クジラの行動が変容した可能性があるとしている。(c)AFP