【11月8日 People’s Daily】2012年から2021年にかけて、中国の年間宅配取扱量は57億件から1083億件へと18倍に増加した。2014年以来、8年連続で世界一の業務量を維持している。

 しかし、業務量の急激な増大は、「宅配クライシス」という問題をも引き起こしている。2009年以来、毎年「双11(11月11日の独身の日に行われる年に一度のショッピングフェスティバル)」期間中に、小包が速達ネットワークに大量に殺到し、中継センターや、末端拠点で滞留され、速達が一時的に「遅達」になってきた。 

 そのため、業界では、「人手不足のボトルネックを解消するため、技術で解決しようと設備を増やす」というコンセンサスが得られている。

 2016年5月、中科微至(Wayzim)創業者の李功燕(Li Gongyan)氏のチームにより、初のクロスベルト式宅配小包選別システムの試験機が完成した。同月には、中科微投と共同で中科微至を設立した。

「ファーストセットの突破が最大の難関だったが、良いタイミングに恵まれた」と、中科微至の姚益(Yao Yi)ゼネラルマネジャーは述べた。2016年、手書きの伝票は電子伝票に徐々に取って代わり、選別の自動化の実現に向けた確固たる基盤を固めた」。同時に、消費者も「遅達」をこれ以上我慢するつもりはなく、宅配業者はあらゆる面からの圧力を受け、変化を余儀なくされている。

 中科微至と最初に提携したのは中通速達(ZTO Express)で、2016年11月に、中科微至の自動選別設備は、中通速達東莞分配センターで正式に稼動した。自動化設備の導入により、中継センターのオペレーターは400人から85人に減少し、1日の処理能力は40万件から50万件に増加し、選別精度も99%に向上した。

 参入するメーカーの増加により、業界のイノベーションが加速している。2018年、「小黄人」ロボットの登場により、自動選別に新たな解決策が示された。

 浙江立鏢ロボット公司(Libiao Robotics)が開発・生産した「小黄人」ロボットは、自動選別ラインとは異なり、上段のロボット作業台と下段の選別・受取エリアからなる。ロボットが自動的に住所を認識し、ルートを計画し、対応する受取エリアに小包を入れる。発表後、「小黄人」ロボットは申通速達(STO Express)に見込まれ、浙江(Zhejiang)、山東(Shandong)、河南(Henan)での中継センターに導入されることになった。

 これにより、中国の物流設備産業は急速な発展期を迎えた。2019年末までに、中国の速達産業は、中国の地下鉄の総走行距離に匹敵する5000キロ以上の自動流れ作業ラインを建設した。データによると、中国の自動選別設備の市場規模は、2021年には約260億元(約5322億円)となり、年間成長率は約21.8%だった。このうち、宅配選別設備業者のトップ13社は、売上高148億1000万元(約3031億円)で、前年同期比44.2%増となった。(c)People’s Daily/AFPBB News