【11月7日 AFP】ロードレース世界選手権、最終第20戦バレンシアGPは6日、MotoGPクラスの決勝が行われ、ドゥカティ・レノボ・チーム(Ducati Lenovo Team)のフランチェスコ・バニャイア(Francesco Bagnaia、イタリア)が選手権史に残る大逆転での総合優勝を決めた。

 シーズン中盤には、モンスターエナジー・ヤマハ(Monster Energy Yamaha)の前年王者ファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo、フランス)に91ポイント差をつけられていたバニャイアだったが、最終戦で9位に入り、驚異的な巻き返しを完遂した。

 バニャイアは「人生で最もきついレースだった」と振り返り、「苦しかった。目標は5位以内だったが、2、3周走った後で苦しくなり始めた。それでも一番重要なのは、僕らが世界チャンピオンだということだ」と話した。

 一方のクアルタラロは4位でフィニッシュ。2連覇には自身が今大会で優勝した上で、バニャイアが14位以内を逃すことが必要だったが、実現はならなかった。

 2018年にMoto2を制しているバニャイアだが、MotoGPクラスはこれが総合初優勝となった。合計265ポイントを稼ぎ、緊迫の最終戦を終えて2位のクアルタラロとは17点差。総合3位にはグレシーニ(Gresini Racing MotoGP)のエネア・バスティアニーニ(Enea Bastianini、イタリア)が入った。

 レースはチーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のアレックス・リンス(Alex Rins、スペイン)が制し、今季限りで撤退するスズキが有終の美を飾った。「これ以上の終わり方はない」と話したリンスは、「とても誇らしい。スズキでは多くのことを学んだ。ここからは新しい章が始まっていく(来季はLCRホンダ・イデミツ<LCR Honda IDEMITSU>へ移籍)」とコメントした。

 2位にはレッドブルKTMファクトリー・レーシング(Red Bull KTM Factory Racing)のブラッド・ビンダー(Brad Binder、南アフリカ)、3位にプラマック・レーシング(Pramac Racing)のホルヘ・マルティン(Jorge Martin、スペイン)が入った。(c)AFP