【11月3日 AFP】インド北部を運行する列車のトイレ内で、男性の遺体が発見された。警察が3日、発表した。遺体は誰にも気付かれないまま、約900キロ移動していた。

 警察は、ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州内で見つかったこの男性について、列車がビハール(Bihar)州をたつ数日前に車内に乗り込み、トイレに入り自ら鍵を掛けた後、死亡したとみている。

 サハルサ(Saharsa)とアムリツァル(Amritsar)を35時間で結ぶこの急行列車は、トイレのドアが開けられた時点で、出発から24時間が経過していた。

 現地鉄道警察はAFPに対し、乗客から異臭がするとの苦情を受け、先月30日にドアをこじ開けたと話した。男性は停車中の車内に乗り込み、発見の2、3日前に一人で亡くなったとみられるが、「身元については何も分かっていない」としている。

 鉄道病院の医師は主要紙タイムズ・オブ・インディア(The Times of India)に対し、男性は「昏睡(こんすい)状態に陥った後、亡くなった」可能性があると述べた。

 当局は、ビハール州の駅周辺で男性に関する情報を求めてチラシを配った。インドでは毎年、遺体となって見つかり引き取り手のない身元不明者が数万人に上る。(c)AFP