字幕:徒歩でカタールW杯観戦へ アラビア半島1600キロ横断中
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【11月6日 AFP】今年初め、カタールの高官が中東初開催のサッカーW杯をテレビ番組でアピールするのを見ていて、サウジアラビア人のアブドゥラ・アルスルミさん(33)は思い付いた。「何が何でもドーハに行くぞ。たとえ歩いてでも!」
地元サウジアラビアの港湾都市ジッダ(Jeddah)からカタールの首都ドーハまでの1600キロを、2か月かけて単独トレッキング中だ。
AFPが取材した9月下旬、アルスルミさんはサウジアラビアの首都リヤドから南西に340キロ離れたカスラー(Al-Khasrah)という町にいた。背中のリュックにはサウジアラビアとカタールの国旗を立てていた。
以前住んでいたカナダやオーストラリアで長距離トレッキングを経験したことはあったが、アラビア半島を横切る厳しさは比べものにならない。
たいていは日の出とともに出発し、午前10時か10時半まで歩いた後、暑さを避けて数時間休憩する。午後は日没まで、時には夜も歩く。1日に歩く距離の目安である35キロをキープするためだ。途中、ガソリンスタンドで買ったチキンライスを食べ、モスク(イスラム礼拝所)でシャワーを浴び、洗濯をする。
SNSには毎晩の寝る場所探しの様子やテントのそばにいたサソリに驚いたことなど、日常的なことから危険なエピソードまで旅の出来事を詳しくアップしている。
道中で出会うサウジアラビアの人々とのやりとりもあり、多くの人が軽食やジュースを差し入れてくれる。「誰かに会って『アカウントをフォローするよ、応援するよ』といった言葉を掛けられると、最後までやり通すぞという気持ちになるんです」
なるべく幹線道路以外を歩くようにしており、これまで知らなかった自分の国のさまざまな風景を楽しんでいると言う。「ジッダからドーハまで歩くと100キロごとに景色が変わるんです。最初の100キロは砂丘、次は山、それから何もない平地、そして農場」と説明した。
「2か月でサウジアラビアという一つの国のすべての地形を踏破することになります。感動しています」