【11月1日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は10月31日、旧ソ連構成国アルメニア、アゼルバイジャン両国の首脳をロシア南部ソチ(Sochi)に招いて会談した。両国は係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐり、武力に頼らず解決することで合意した。

 アルメニア、アゼルバイジャン両国軍は9月、ナゴルノカラバフをめぐって再び交戦。事態の収拾に向け、アルメニアのニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領が会談に臨んだ。

 会談後に両国は共同声明を発表し、紛争解決に向けて「武力を行使しないことで合意した」と表明。ナゴルノカラバフの恒久平和を保証するため「和平協定締結へ向け積極的に準備することの重要性」を強調した。

 プーチン氏は記者団に対し、「極めて有意義な会談であり、将来の(和平)合意の可能性に向けて非常に良い雰囲気を醸成できた」と語った。また、「ロシアとしても最終的かつ包括的な解決策を見いだすため全力を尽くすつもりだ」とし、「関係正常化」に期待を示した。

 アルメニア、アゼルバイジャン両国では、アルメニア人住民が多数を占めるアゼルバイジャン内のナゴルノカラバフをめぐり、1990年代と2020年に2度にわたって紛争が起きた。今年9月の衝突でも双方合わせて286人が死亡した。(c)AFP