【11月6日 People’s Daily】近年、情報技術を中核としたデジタル経済が中国を発展させる新たなエンジンとなっている。デジタル経済は新しい産業を生み出すと同時に、若者の生活や概念に大きな変化をもたらした。多くの若者がデジタル経済の助けを借りて時代のチャレンジャーとなり、社会の進歩を促進している。

 四川省(Sichuan)カンゼ・チベット族自治州(Ganzi Tibetan Autonomous Prefecture)稲城県(Daocheng)に住む25歳のチベット族の女性、格絨卓姆さんはインターネットで何百万人ものフォロワーを持つショートビデオ投稿ブロガーだ。子どもの頃から両親と一緒に農作業に明け暮れる生活をしていた彼女は5年前、漢方で重宝される冬虫夏草を掘る動画をたまたまネット上に投稿したところ、大きな注目を集めた。その後はマツタケを干したり、雪水でお茶を入れたりするなど、農村の日常を伝えるようになった。2019年には地元の村人と協同組合を設立。冬虫夏草やマツタケなどの山の幸を販売し、村の生活を豊かにしている。彼女は「携帯電話とインターネットが私の運命を変えました。広い世界に足を踏み入れることができました」と笑みを浮かべる。

 オンラインオフィス、電子商取引、デジタルエンターテインメント、インターネットマーケティング、オンライン配信など、新しい職業スタイルは多くの若者に支持されている。人的資源社会保障省が発表した新しい職業56種のうち、デジタル経済に関連する職業は20種を超えている。中国メディア「中国青年報」の調査では、質問をした若者のうち75.1%がデジタル経済関連で働くか起業する意思を持っている。

 清華大学(Tsinghua University)国情研究所の劉東浩(Liu Donghao)研究助手は「新たなデジタル関連の職業は、従来の職業と比較して多様性、楽しさ、柔軟性、ネットワーキングが際立っている。若者が夢を実現する舞台であると同時に、経済・社会を発展する推進力でもある」と指摘する。中華全国青年連合の傅振邦(Fu Zhenbang)副主席は、最近のデジタル経済フォーラムで「情報技術や科学技術など、デジタル技術によるイノベーションを中心とする産業では、若者の割合が半分を超えている」と説明した。

 中国情報通信研究院のクラウドコンピューティング・ビッグデータ研究所で副チーフエンジニアを務める王蘊韜(Wang Yuntao)氏は「今日の若い世代は人工知能(AI)、ビッグデータ、ブロックチェーン、クラウドコンピューティングなどの技術を駆使し、さまざまな産業に力を与えることができる」と話す。

 世界経済の発展に重要な役割を果たしているデジタル経済。中国の若者がそれを強く押し上げている。(c)People’s Daily/AFPBB News