【11月5日 People’s Daily】衛星測位ナビゲーションを利用した無人スマート車両が埠頭(ふとう)と倉庫の間をせわしなく往復し、自動クレーンはプログラム設定にもとづきコンテナを正確に持ち上げる。中国各地の港湾では今日も活発な作業が続いている。交通運輸省によると、7月の中国の港湾貨物取扱量は前年同月比5.7%増の13億4002万トン、コンテナ取扱量は11.2%増の2636万TEUに上った。国内外で経済的に下振れ圧力が続く中、港湾産業は中国経済に活力を与えている。

 港湾施設は中国の対外貨物貿易の90%以上を担っており、港のスループット(処理能力)は重要な経済先行指標の1つとされている。今年に入り国際情勢が複雑化し、国内ではコロナ禍が続くといった悪影響に直面している。その中で、港湾ビジネス環境の最適化など国際貿易を安定させるための政策的措置が実施され、急速に発展する越境ECに対応して海外倉庫を設置するなど、新たな取り組みが行われている。

 港湾に製品を供給するサプライチェーンも効率化が進んでいる。陸路の鉄道や水路の船舶から港湾まで物流の大動脈網が整備され、輸出品の出荷がスムーズに行われていると同時に輸入品の国内流通も安定している。

 2021年末段階で全国の港には2万867か所の生産用バース(係留施設)があり、このうち1万トン以上の大型バースは2659か所を数える。上海市を中心とした長江デルタ地帯や、北部の天津市(Tianjin)と河北省(Hebei)、南部の広東省(Guangdong)、香港、マカオで世界トップクラスの港湾クラスターを形成している。

 中国では港湾の自動化と運用システムが確立され、その規模は世界一となっている。大規模な水運輸送能力、低コスト、低公害、土地占有率の減少により、港湾産業と都市の統合的発展を促進している。さらに産業チェーンとの安定したネットワークは、国内経済の循環を円滑にしている。(c)People’s Daily/AFPBB News