【11月3日 People’s Daily】中国で2019年6月に5G営業ライセンスが発給されてから3年が経過した。2021年までに5G基地局は中国の県レベル(日本の市レベルに相当)以上のすべての都市をカバーした。工業情報化省によると、今年7月時点で5G基地局は196万8000か所に上り、4億7500万人のユーザーが利用している。世界最大のネットワークを誇り、最近の3年間では世界の5G基地局の60%以上が中国で開設されている。今年も新たに60万か所の基地局を設置する。

「昨年、普陀山に来たとき、ボートに乗ると5Gが利用できないこともありました。今日は電波が完全に届きます!」。浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)から舟山市(Zhoushan)の普陀山に遊びに来た楊さんは笑みを浮かべる。数か月前、舟山市にある無人島で5G基地局の試験運用が始まり、ボートに乗りながらスポーツ中継の動画を見ることもできる。中国鉄塔(China Tower)舟山支社の担当者は「観光スポットの朱家尖蜈蚣峙埠頭(ふとう)から普陀山までのカバーが弱い問題を解決しました」と胸を張る。

 通信事業大手の中国聯通(China Unicom)と通信インフラ大手の中国通信(China Telecom)は5Gライセンス発給以降、専用のコアネットワーク設備と5G基地局を組み合わせて通信をする「5G SAネットワーク」を共同で構築し、都市部全域と主要な町村のカバーを達成した。資金と資源の共有により2年間で2100億元(約4兆2693億円)の投資を節約し、運用コストを200億元(約4066億円)節約した。同時に毎年100億キロワット時の電力を消費し、二酸化炭素の削減量は600万トンを超えた。

 中国は5Gの主要技術で革新を続けており、半導体やOSなどで世界の先進グループとの差を年々縮めている。通信大手の中国移動(China Mobile)は3600件以上の5G特許を申請しており、世界の通信事業者の中で1位にランクされている。

 2021年、中国の5G携帯電話の出荷台数は前年比63.5%増の2億6600万台に達した。ブロードバンド(高速大容量)、低遅延、広いコネクティビティーなどの5Gの機能は、超高精細撮影、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、人工知能(AI)などの先端技術と結び付き、多くの革新的サービスをユーザーに提供している。工業情報化省の担当者は「今後さらに産業基盤を強化し、技術的ブレークスルーや環境に優しいイノベーションを図っていく」と話している。(c)People’s Daily/AFPBB News