【10月30日 AFP】ロシアは29日、ウクライナ産穀物の輸出合意の履行を停止すると発表した。クリミア(Crimea)半島沖で穀物輸出の安全確保に当たっている黒海(Black Sea)艦隊や民間の船舶がウクライナ側の「大規模な」無人機攻撃を受けたためだとしている。

 ロシア軍はこれに先立ち、ウクライナ側の無人航空機9機と海洋無人機7隻を「破壊した」と主張していた。

 ロシア国防省はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、ウクライナ側の攻撃には「英国の専門家」も加わったと指摘。「ウクライナの港からの農産物輸出に関する合意の履行を停止する」と表明した。

 これに対しウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、「アフリカやアジアに大飢饉(ききん)の脅威をもたらそうとする明白な意図」を示したものにほかならないと反発。ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領も、ロシア側の出方について「言語道断だ」とし、「飢餓を増やす」だけだと非難した。

 ロシアとウクライナは7月、トルコと国連(UN)の仲介によりウクライナ産穀物の輸出再開で合意。これまでに合意に基づいて900万トン以上の穀物が輸出された。来月19日には合意が更新される予定だった。(c)AFP