【10月29日 AFP】ロシアの占領下にあるウクライナ南部ヘルソン(Kherson)州の州都ヘルソンで28日までに、親ロシア派当局が組織した住民退避が完了した。

 2014年にロシアがウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島の親ロ派当局首長、セルゲイ・アクショノフ(Sergei Aksyonov)氏が27日夜、ソーシャルメディアへの投稿で発表した。

 東部と南部で大きな戦果を上げたウクライナ軍は、ヘルソンを含むドニエプル(Dnieper)川右岸一帯の奪還に向けた激戦に備えている。ロシアによる2月のウクライナ侵攻開始前には約28万8000人が暮らしていたヘルソンは、侵攻初期に陥落した都市の一つであり、奪還はウクライナにとって大きな意味を持つ。

 ロシアはヘルソン州の併合を主張しており、ヘルソン市を「要塞(ようさい)」化してウクライナ軍に対抗すると宣言している。親ロ派当局は今月中旬から、ヘルソン市民に対してロシア支配下にあるドニエプル川左岸に渡り、ロシア南部近くへと退避するよう促していた。(c)AFP