【10月30日 Xinhua News】中国の隋唐時代、北方の名窯として栄えた「邢窯」の窯跡が現在、河北省(Hebei)邢台市(Xingtai)の襄都区、臨城県、内丘県一帯に分布している。邢窯の陶磁器焼成技術は2014年、国家級無形文化遺産リストに登録された。

 張志忠さん(59)は、1980年から邢窯の陶磁器焼成技術の復活と邢窯文化の研究に力を注いできた。

 張さんによると、邢窯は北朝時代に始まり、唐代に最盛期を迎えたが、元代になると次第に衰退し、焼成技術の伝承が途絶えていた。古文書には多くの記録が残されているが、窯跡が発見されていなかったため、邢窯は謎に包まれた時代が続いた。1980年以降、関係部門が邢台市で多数の窯跡を相次いで発見し、その神秘のベールが徐々に明らかになっていった。

 1986年の暮れには、張さんが所属する河北省の邢窯研究グループが大量の実験を経て「唐代の邢窯磁器に近い」レプリカ21種類の焼成に成功し、邢窯の焼成技術が少しずつ取り戻された。

 張さんは、銀のような輝きと雪のような白さ、玉(ぎょく)のような光沢を持つ邢窯白磁は、盛唐文化のシンボルの一つだと説明。現代の白磁は邢窯の精神的風格と特徴を広めるだけでなく、革新を加え、流行を反映する必要もあると述べた。

 張さんはここ数年、邢窯文化の伝承にさらに多くの力を費やし、書籍の編集や学校での授業など、さまざまな形で邢窯陶磁の焼成技術を教えている。

 地元の大学、邢台学院は邢窯文化の伝承を推進するため、陶磁器工芸学や邢窯陶磁焼成技術など17の専門課程を開設した。邢台市邢磁焼成技芸研究院や内丘県職業技術教育センターなどでも、創作研修講座などを通じ、高度技能人材を多数育成しており、ますます多くの若者が千年の歴史ある邢窯文化の継承者となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News