【10月28日 AFP】チャールズ英国王(King Charles III)が、自身の不在時に代理を務めることを許される王族の範囲を拡大する意向であることが、英メディアにより報じられた。これにより、王室の公務から離れている次男のヘンリー王子(Prince Harry)と弟のアンドルー王子(Prince Andrew)が臨時代行から事実上除外されることになる。

 英王室では「摂政法(Regency Act)」に基づき、国王が不在または病気の際に公務を代行できる王族が5人に制限されている。これには妻のカミラ王妃(Queen Consort Camilla)、長男で王位継承者のウィリアム皇太子(Prince William)に加え、ヘンリー王子とアンドルー王子、そして同王子の長女だが王室の公務には従事していないベアトリス王女(Princess Beatrice)も含まれる。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)とBBCによると、チャールズ国王は同法を改正し、弟のエドワード王子(Prince Edward)と妹のアン王女(Princess Anne)を臨時代行に加える意向だという。

 王室を離脱したヘンリー王子は現在、米国に居住している。一方のアンドルー王子は、未成年者への性的暴行などの罪で起訴され勾留中に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)被告との交友関係や、自身が未成年者と性交渉を持っていたとの疑惑を受け、公務から退いている。国王の代理を務める王族の範囲を拡大することで、両王子を直接排除することなく、臨時代行の委任を避けることが可能になる。

 テレグラフは王室関係者の話として、同法の改正案は「数週間以内に」議会に提出される可能性があると伝えた。英王室はこの件に関し公式なコメントを出していない。

 映像はヘンリー王子と英王室メンバーの資料映像。2019~2022年に撮影。(c)AFP