【10月27日 AFP】英国のリシ・スナク(Rishi Sunak)首相と家族は、ロンドン・ダウニング街(Downing Street)10番地の首相官邸の上階にあるフラットに引っ越す見通しだ。超富裕層に属する首相夫妻は、ロンドンなどに複数の豪華な邸宅を所有している。

 スナク氏は、米カリフォルニア州や、裕福なロンドン・ケンジントン(Kensington)地区、地盤のイングランド北部ヨークシャー(Yorkshire)に住宅を所有している。

 首相の報道官は「(首相やその家族は)10番地のフラットに引っ越す予定だ」と述べた。改修計画があるのかどうかは分からないとしている。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)元首相は、居住したダウニング街11番地のフラットの高額な改修費用をめぐって批判を浴びた。

 10番地の住宅は最高の立地にあるものの、居住スペースとしては比較的小さい。歴代首相は伝統的にここに居住してきた。11番地のより広いフラットには、財務相が住むのが慣例だった。

 トニー・ブレア(Tony Blair)首相(当時)とゴードン・ブラウン(Gordon Brown)財務相(同)は、ブレア氏の家族の成長に伴い、住居を交換した。スナク氏は、7月に辞任したジョンソン首相の政権で財務相を務めていた際には、10番地の上階に住んでいた。

 首相報道官は、なぜスナク氏が広い11番地ではなく10番地の上階に住むのかとの問いに、夫妻は10番地の方の住居に「とても満足していた」からだと答えた。

 ジョンソン元首相は住居の改修をめぐって、支持者からの献金などに関してメディアで盛んに取り上げられ、最終的には信頼を損なった。

 ただスナク氏は、2009年にインドの大富豪の娘アクシャタ・ムルティ(Akshata Murty)氏と結婚し、自身も米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)に勤務するなどして財産を築いたことから、フラットを改修する場合も、支持者に頼ることはなさそうだ。(c)AFP