【10月27日 CGTN Japanese】希少動物の中国四川キンシコウが約5000匹生息する陝西省(Shaanxi)秦嶺地区。同地で研究をしている科学者が、赤外線カメラを搭載したドローンによる調査を行った結果、四川キンシコウの個体群では、俗に言う「ボスザル」の存在は確認できなかったということです。

 野生のキンシコウを38年にわたり研究してきた西北大学生物学部の李保国教授によりますと、キンシコウの群れには、力に物を言わせ、複数回の戦いに勝ち抜くことで、個体群のトップの地位につく「ボスザル」がいるものと思われていました。しかし、長年の追跡観察を経て、キンシコウの個体群は複数の血縁集団からなり、群れを統括するボスザルはおらず、個々の血縁集団を単位に「家父長」が管理していることが判明しました。また、 「家父長」には力があるものの、「力」以上にその「魅力」によって認められていることが分かりました。キンシコウによく見られる毛づくろいの行動は、絆を育み、魅力をアピールする絶好の行動となっています。

 キンシコウは中国にしか生息しない希少種で、四川キンシコウと雲南キンシコウに分けられます。そのうち四川キンシコウは秦嶺地区を象徴する種で、標高1500〜3300メートルの森林に生息しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News