【10月27日 CNS】ジャイアントパンダ国家公園は2022年10月12日に、開園1周年を迎えた。同公園は、四川省(Sichuan)、陝西省(Shaanxi)、甘粛省(Gansu)の3省にまたがり、その総面積は2万2000平方キロにも及ぶ。中でも、四川省は1万9300平方キロで全体の87.7%を占め、野生パンダ1227頭が生息し、同公園内の野生パンダ1340頭の91.6%を占めている。

 この1年、四川省では、主に次のような業務が行われてきた。

■法令に基づく規制管理

 四川省は省政府の名義で「四川省ジャイアントパンダ国家公園管理弁法」を全国で先立って発表し、四川地区の建設を強化する意見を出し、「四川省ジャイアントパンダ国家公園管理条例」の制定を推進し、第13期省人民代表大会常務委員会で初めて審議・採択させた。また、国家林業・草原局に協力し、「ジャイアントパンダ国家公園全体計画」の改善を進めると同時に、空間配置と生態系回復などのための特別計画を作成している。ジャイアントパンダ国家公園の建設を重要な内容の一つとして、「首席森林官+検察長」協力メカニズムも確立させた。

■歴史的な問題の解決

 四川省は、公園内の小水力発電を整理・撤退させ、鉱業権の整理を速めてきた。省政府弁公庁は鉱業権の分類・撤退方法を発表し、自然資源庁は、2022年末までに194の鉱業権を完全に整理・撤退させる具体策を打ち出した。省の発展改革委員会と財政庁などの各官庁は、共同で「小水力発電の整理・撤退案」と財政奨励金・補助金策を出し、段階的に273もの小水力発電の撤退を進める計画で、そのうち97もの小水力発電が既に撤退した。省級財政部門は、特別に9億5600万元(約195億円)の補助金を準備し、小水力発電と鉱業権の撤退をサポートしている。省林業・草原局は、2363ムー(約1.5平方キロ)の集団人工商業林を生態公益林に変更する調整を行い、中核地区から住民52人の生態移転を実施した。

■自然生態系の保護・回復

 四川省は、ジャイアントパンダの重要な生態回廊と野生復帰基地の建設を強化し、26.56平方キロメートルのジャイアントパンダ生息地を保護・回復させた。そのうち、雅安地区(Ya’an)の歴史的廃鉱の生態系回復プロジェクトは、国家モデルプロジェクトに選定された。663本の固定巡回ルートが設けられ、2022年で、すでに延べ8万人以上の巡回が実施され、野生パンダの画像モニタリングは724回実施された。

■基層でのインフラ建設

 中央と地方の政府は、2億2000万元(約45億円)の財政措置を講じ、「第14次五か年計画(2021〜2025年)」の17の重点プロジェクトを準備している。標準化建設を試行し、ジャイアントパンダの小個体群の幼若化研究開放実験室、野生復帰基地、野外科学研究観測所などの5施設や、168.68キロメートルの巡回道路の建設、41の保護ステーションの新設・修復、および745本の標準化・多機能のスマート境界標、境界杭の設置がなされた。ジャイアントパンダ国家公園四川地区専門家諮問委員会、文化創意専門家委員会、革新連盟等の設立、300近くの基礎科学研究プロジェクトの立ち上げ、実施を行ってきた。また、デジタル管理を推進し、「天空地人」一体化監視システムの構築にも着手している。

■地域連携開発の推進

 四川省は、共同建設・共同管理の仕組みを模索し、県レベルの管理機関と村・コミュニティーや住民などとの間に40の共同建設・共同管理委員会を設立、1893人の地元の国家公園管理員を雇用した。(c)CNS-成都商報/JCM/AFPBB News