【10月26日 AFP】南米パラグアイのマリオ・アブド・ベニテス(Mario Abdo Benitez)大統領は25日、殺害されたゲリラ指導者のひつぎを姉が収監されている刑務所に運び込むのを認めたとして、法相と刑務所所長を更迭した。大統領府が明らかにした。

 警察によると、マルクス・レーニン主義を信奉するパラグアイ人民軍(EPP)のオズバルド・ビジャルバ(Osvaldo Villalba)容疑者(39)は23日、他のメンバー2人と共に北東部で軍に殺害された。同容疑者には15万米ドル(約2200万円)の懸賞金がかけられていた。

 遺体が入ったひつぎは、姉でEPP共同創設者のカルメン受刑者(50)が服役している刑務所に、機動隊が監視する中、親族により運び込まれた。同受刑者には弟に別れを告げる時間が5分間許されたという。

 エドガル・タボアダ(Edgar Taboada)法相は更迭される数時間前には、親族が「予告なしに」刑務所を訪れ、ひつぎを運び込んだと話していた。

 カルメン受刑者は2004年にラウル・クーバス(Raul Cubas)元大統領の娘を誘拐した罪で、1年前から禁錮18年の刑に服している。

 EPPはこれまでに兵士や警官、民間人約80人を殺害、十数人を誘拐したとされる。(c)AFP