【10月25日 AFP】22日にイタリア初の女性首相に就任したジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)氏(45)は25日、議会で所信表明演説を行い、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、ウクライナへの支持を表明した。

 同氏が率いる極右政党「イタリアの同胞(FDI)」は先月25日、総選挙で歴史的勝利を収めた。ユーロ圏第3位の経済大国であるイタリアで、EU懐疑派のポピュリスト政権が誕生することは、同国の同盟国、特にEU諸国の間で懸念を呼んでいた。

 メローニ氏は下院での演説で、「ファシズムを含む非民主的な政権に共感したり、同調したりしたことはない」と説明。自党と自国のファシズムの歴史との関連を否定した。さらに「イタリアは完全に欧州と西側世界の一員だ」とし、「ウクライナ支援におけるNATOの信頼できるパートナーであり続ける」と宣言した。

 マリオ・ドラギ(Mario Draghi)前政権は、ウクライナ侵攻をめぐる対ロシア制裁をEU加盟国の中でも最も強力に支持し、ウクライナへの武器支援も行っていた。メローニ氏は当時、野党でありながらこの政策を支持していた。

 イタリアはロシア産天然ガスに大きく依存しているが、同氏はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領による「天然資源をめぐる恐喝」には屈しないと明言した。

 メローニ氏の演説の後、下院では25日夜、第2次世界大戦(World War II)以来最も右派的な新政権の信任投票が行われる。翌26日には上院でも投票が予定されているが、メローニ氏の連立政権は議会で多数を占めているため、形式的な手続きとなる。(c)AFP/Alice RITCHIE / Gildas LE ROUX