【10月25日 AFP】オーストラリア政府関係者は25日、米政府の要請に基づき、パイロット経験のある元米海兵隊員を逮捕したと明らかにした。欧米諸国は、中国が元空軍パイロットらを自国軍の訓練のために雇い入れているとの報告を受け、調査に着手している。

 裁判記録によると、エドモンド・ダガン(Edmund Duggan)被告は21日にニューサウスウェールズ(New South Wales)州の裁判所に出廷した。

 豪州検察当局は声明で、被告は「仮逮捕を求めた米国の要請に基づいて10月21日に逮捕された」としている。次回の出廷は11月に予定されている。

 被告は、「トップガン・オーストラリア(Top Gun Australia)」という事業を運営し、「トップクラスのアドベンチャー飛行会社」と宣伝していた。

 同社のウェブサイトには、「12年の在籍経験がある元米海兵隊将校」との経歴が記載され、「高度な訓練を受けた戦闘機パイロットとして、空母艦載ハリアー(Harrier)戦闘機で戦術的に世界各地を巡った」と紹介していた。

 ドガン被告は、中国でも働いた経験があるという。

 豪州政府は先週、中国が欧米諸国の元パイロットを自国軍を訓練するために採用しているとの報道を受けて調査を開始した。英政府も、元パイロット30人以上が最大24万ポンド(約4000万円)の提示報酬で勧誘に応じたとの報道を受け、中国のリクルート活動を阻止するため、「断固とした措置」を取ると表明していた。(c)AFP