【10月25日 AFP】スペインの全国管区裁判所(National Court)は24日、サッカー同国1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)対レアル・マドリード(Real Madrid)の試合をドローンで攻撃するようイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から指示された男に対し、禁錮3年の判決を言い渡した。

 起訴状によると、元バー従業員のモハメド・ヤシ・アムラニ(Mohammed Yassi Amrani)被告は、2020年に過激化して「速いプロセスでダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)の一員」になったとされている。

 被告が2020年3月にフェイスブック(Facebook)への投稿で「ジハード(聖戦)」を呼び掛けた後、ISのリクルーターからオンラインで接触があり、人気メッセージアプリのテレグラム(Telegram)を使っての連絡を求めてきたという。

 このリクルーターはテレグラムを通じて、被告に対し「人生を清めて楽園での居場所を確保する」ために攻撃を実行し、過去の飲酒や信仰から遠ざかっていたことを埋め合わせるよう命令。FCバルセロナが本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou)で予定していたレアル戦の最中に、爆発物を積んだドローンを飛ばして爆破することを指示したとされている。

「エル・クラシコ(El Clasico)」と呼ばれる両クラブの対決は、世界で最も注目を集める一戦となっている。攻撃計画の具体的な日にちは明らかにされなかったが、当時スペインは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)下にあり、試合は中止されていた。

 警察は2020年5月に、バルセロナ(Barcelona)に住んでいたとされるアムラニ被告を逮捕して自宅を捜索した。(c)AFP