レーガン大統領暗殺未遂のヒンクリー氏 音楽活動に込める思い
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■「申し訳ない」
レーガン財団(Reagan Foundation)は長年、どんな形であれヒンクリー氏が自由になることに強く抗議し、「自身の知名度を利用して金もうけをしようとしている」と非難してきた。
もし、レーガン氏のような要人が関係していなければ、裁判所は少なくとも条件付きで、もっと早く退院を許可していたかもしれない。
しかし、コロンビア大学(Columbia University)の精神医学教授ポール・アップルバウム(Paul Appelbaum)氏は、たとえ心神喪失を理由に法的に無罪になったとしても、対象が著名人だった場合には「懲罰的要素が働く」と指摘する。
「凶悪な行為、例えば米大統領の暗殺を試みた場合、その精神状態にかかわらず長期の行動制限が予想される」
ヒンクリー氏は、レーガン財団に何度も謝罪しようとしたという。「自分のしたことを申し訳ないと思っている」
あの時は「自分の居場所がなく、うつ状態で不安定だった」と振り返り、今となっては「自分は何を考えていたのだろう」という思いがあると言う。
■「銃が多過ぎる」
「ビートルズ(The Beatles)」、ボブ・ディラン(Bob Dylan)、ニール・ヤング(Neil Young)らの影響を受けて何千曲も書いてきたというヒンクリー氏の楽曲は、アコースティックギターを使ったフォーク調のロックで歌詞も明快だ。
「I Sing My Songs(私は私の歌を歌う)」という曲では「自由は私の隣にある/誰もが私の過去を知っている」と口ずさみ、「自責の念は本物/私はそう感じている」と続く。
ライブ会場はなかなか見つからないが、年内にスカとパンクの自主レーベル「アスベストスレコード(Asbestos Records)」からアナログレコードのアルバムをリリースする。
レーガン氏を狙撃する数か月前に起きたジョン・レノン(John Lennon)の射殺事件については、「あれで精神的に参ってしまったと思う」と語る。
近年、精神衛生関連の研究や治療に注目が集まっていることを称賛しつつ「できることはもっとたくさんある」と言う。「この国は今、本当に、本当に不安定な状態にあると思います」
そして銃を手にしたことで人生が大きく変わったヒンクリー氏は今、ギターを弾きながら銃規制の必要性を訴える。「米国には銃が多過ぎる」
「だから犯罪や暴力が絶えないんですよ」 (c)AFP/Maggy DONALDSON