【10月25日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は24日、ロシアに対し、ウクライナが放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」の使用を計画しているという虚偽の主張を同国への攻勢強化の口実として使わないよう警告した。

 ストルテンベルグ氏はツイッター(Twitter)への投稿で、「ウクライナが自国の領土で汚い爆弾を使用する準備をしているというロシアの虚偽の主張について」ロイド・オースティン(Lloyd Austin)米国防長官とベン・ウォレス(Ben Wallace)英国防相と協議したと説明。「NATO加盟国はこの主張を拒否する。ロシアはこれをエスカレーション(段階的拡大)の口実に使ってはならない。われわれのウクライナに対する支援は揺るがない」と表明した。

 ロシア国防当局高官はこれに先立ち、NATO加盟国側と相次いで行った電話会談で、ウクライナが「汚い爆弾」を戦地に投入する可能性があると繰り返し警告。その証拠は示していない。

 ロシア国防省によると、24日にはさらにロシア軍のワレリー・ゲラシモフ(Valery Gerasimov)参謀総長が米国のマーク・ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長と電話会談し、同様の主張を繰り返した。またロシア軍は同日、ウクライナの同爆弾開発は「最終段階」にあると主張した。

 ロシアがこうした主張を口実に自ら「汚い爆弾」を使用するのではとの懸念が高まっているが、匿名を条件に記者団の取材に応じた米軍幹部は、ロシアがウクライナで核兵器や化学兵器、生物兵器の使用を決定したことを示す情報を米国は持ち合わせていないと述べている。(c)AFP