【10月25日 AFP】ロシア国営テレビRTの番組で、ウクライナの子どもたちを焼くよう呼び掛けて物議を醸していた司会者が24日、謝罪した。

 この司会者は、アントン・クラソフスキー(Anton Krasovsky)氏(47)。ロシア政府支持派で、西側諸国から制裁を科されている。問題のコメントは先週の番組内でのもので、ソーシャルメディアで批判が相次いでいた。

 番組のゲストが、1980年代のソビエト時代にウクライナを訪問した際の体験として、現地の子どもたちはウクライナがロシアに「占領」されていると話していたと語ると、クラソフスキー氏は「そんなやつらは水死させるべきだった」「そんな子どもたちは田舎小屋に押し込んで焼けばよい」と言い放った。

 ウクライナのドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は23日、RTが「ジェノサイド(集団殺害)を扇動」していると非難。同局を「世界中で禁止」するよう訴えた。

 RTのマルガリータ・シモニャン(Margarita Simonyan)編集長はロシアによるウクライナ侵攻を強く支持してきたが、23日深夜にメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で行った投稿では、クラソフスキー氏の発言を「野蛮で不快極まりない発言」と非難し、同氏の番組出演を停止すると発表。翌24日には、残虐行為の呼び掛けへの反対も表明した。

 クラソフスキー氏は同じくテレグラムに、自身の発言に「ぼうぜんとしたすべての人たちにおわび申し上げる」と投稿。シモニャン氏と、自身の意見を「野蛮であり得ない」と感じたすべての人たちに謝罪するとした。

 重大な犯罪を調査するロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)は、視聴者からの苦情を受けて本件の捜査を命じたことを明らかにしている。

 クラソフスキー氏は過去にも放送中に、ウクライナは「存在するべきではなく、存続させないためにわれわれは手を尽くしている」と発言していた。(c)AFP