【10月25日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)の太原市文物考古研究所はこのほど、最新の考古学成果として、同市杏花嶺区南窊(なんわ)村で明代広昌王の王妃墓を発見したと発表した。

 太原市の城北、東山両地区は、明代の晋藩(山西省に置かれた藩国)一族と王府の属官、職位の高い使用人の墓が集中している。新たに発掘した墓は、広昌王家墓の北東約0・6キロの地点にあり、同研究所が2019年4月から実施した緊急発掘調査で第2代広昌王(広昌安僖王)朱美堅(しゅ・びけん、1420~53年)の継妃(継室)張氏の墓、同墓の周囲にある建設用地の試掘調査で元妃(正室)田氏の墓がそれぞれ見つかった。

 歴史書によると、田氏は1437年に朱美堅の王妃となり50年に死去、張氏は1451年に王妃となり53年に死去している。

 張氏墓は磚室墓(せんしつぼ、れんが墓)で、墓室から石墓誌1基と銅灯1組、墓の北側20メートルの地点から菱花型の漆箱1点が出土。田氏墓は青磚(せいせん、青みのある灰色れんが)と石灰で積み重ねた構造で、磁器や鉄器、銅器、石器、陶器、金器など40点(組)が出土した。

 同研究所の裴静蓉(Pei Jingrong)研究員によると、2人の被葬者は出土した墓誌と考古学資料、「明史」などの文献記載に基づき、それぞれ広昌安僖王の王妃と判断された。(c)Xinhua News/AFPBB News