■戦闘力低下

 こうした状況についてフランス軍幹部は、ロシア軍自身による利敵行為に当たるとみている。「装備は放棄する際には無力化する」のが普通であり、「ロシア軍の司令部は恐らく、そうした命令を出していないか、(無力化するための)装備を持っていないかのどちらかだ」と推測する。

 ジェーンズの匿名アナリストは、「装備の喪失は戦場でのロシア軍の戦闘力を著しく低下させている上、広大な支配地を短期間のうちに失うことに伴う敗北感は、ロシア軍の士気に破滅的な影響を及ぼしている」と解説する。

 同アナリストは「ウクライナ軍内部では、ハルキウで反転攻勢を始めた際には(自軍は)機械化旅団だったのが、終わってみれば機甲旅団になっていた、といった冗談まで飛び出している」と話す。

 さらに、長期的に見れば、鹵獲は「西側情報機関や技術者がロシア軍の装備を評価する機会をもたらす」ことになり、ウクライナを支援する西側諸国にとっても利益があると述べている。(c)AFP/Didier LAURAS with Joris FIORITI