【10月24日 AFP】11月にサッカーW杯(2022 World Cup)が行われるカタールについて、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)が24日、現地の警察がLGBTQ(性的少数者)の人々を勝手に拘束し、暴行しているとする報告書を発表した。

 同性愛が違法となっているカタールは、W杯では少なくとも国外から100万人が訪れるとみられており、その人権問題には非常に厳しい目が注がれている。

 その中でヒューマン・ライツ・ウオッチは「2019年から2022年にかけて、警察に拘束されて繰り返し激しく殴打されるケースを6件、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けるケースを5件記録した」と発表した。直近では今年9月に起こっていたという。

 トランスジェンダーの女性4人、バイセクシュアルの女性1人、ゲイの男性1人が、カタール内務省の予防保安局の職員によって、ドーハの地下施設にとらわれたときの状況を明かしている。そこで「職員は拘束した人々に口頭で嫌がらせを行い、たたく、蹴る、血が出るまで殴るなどの物理的な暴行をはたらいた」という。

 カタール政府の関係者は、告発は「完全なる明白な虚偽」と話し、「カタールはいかなる人に対する差別も許容せず、万人の人権を尊重することを軸に政策や手順を定めている」と述べている。(c)AFP