【10月27日 People’s Daily】古典的な美しさを誇る漢服、革新的な特徴を持つ故宮の文化クリエーティブ商品、伝統的な文化要素にテクノロジーを融合させた時計。近年、中国では、音楽、美術、建築、家具、アパレル、グルメ、日用品、文化クリエーティブなどの精神生活・物質生活両面において、「国潮(中国ブランド)」人気商品が次々と現れている。消費者、特に若い世代が国産品を徐々に認めるようになり、「国潮」を追い求める社会的・美的ファッションが静かに生まれつつある。

 一部の人たちでの漢服の流行が、徐々に多くの人に受け入れられていく過程は、「国潮」ブームの縮図といえるだろう。現在、「国潮」とは、ファッションの流行の形をとり、中国の優れた伝統文化と現代のライフスタイルを融合させた流行のスタイルを指している。多くの老舗や新しいブランドが、中国伝統文化の革新的な発掘と再創造を通じ、独自の「国潮」を徐々に形成してきている。

 2022年5月に中国社会科学院が発表したリポートによると、消費者の9割が中国ブランドの今後の発展への明るい見通しを持っているという。国際的なコンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)が発表した消費者調査リポートによると、中国企業は製品の品質、性能、価値の向上に努めており、消費者の約3分の1がハイエンド製品でも中国ブランドを選ぶと回答している。

 国産品を買う、国産品についてSNSで投稿する、国産品を使う、あるいは漢服を着る、民族音楽を聴く、時代劇を鑑賞する、中国革命をテーマにした「レッド・ツーリズム」に行くなど、消費、文化公演などにおける流行の傾向は、かなりの程度、中国人の美意識や文化的態度の変化を反映しており、文化への自信を示していると言えるだろう。また、新世代のライフスタイルや消費志向が、「国潮」の台頭を加速させている。新華網(Xinhua Net)が最近発表したリポートによると、「Z世代(通常は1995〜2009年に生まれた世代を指す」は、業界全体の「国潮」ブランドの消費の74%に寄与している。流行のオンラインショッピングコミュニティープラットフォーム得物アプリのデータによると、2020年、若いユーザーの「国潮」商品の消費量は前年比で10倍以上に増加したという。

「優れた伝統文化を現代技術でクリエーティブに転換し、革新的に発展させることを支援することは、「国潮」の発展において重要なトレンドだ」。中国人民大学(RUC)文化創意産業研究所の金元浦(Jin Yuanpu)所長は、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、メタバースなどの新技術が、文化コンテンツの創作、制作、普及、消費のあらゆる段階に全面的に関与していると考えている。また、金所長は、新技術を活用し、「国潮」文化産業の新業態・新モデルを構築し、革新的な「国潮」デザインを創造することを提案した。(c)People’s Daily/AFPBB News