【10月24日 AFP】英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)前首相は23日、辞意を表明したリズ・トラス(Liz Truss)首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙への出馬を断念した。一方、リシ・スナク(Rishi Sunak)元財務相は同日、立候補を正式に表明した。

 ジョンソン氏は声明で、「議会内における党の団結」を主導できないとの判断に至ったと説明した。この結果、スナク氏の党首選勝利に向けた最大の障害が取り除かれることになった。

 ジョンソン氏は、スナク氏と、21日に出馬の意向を表明しているペニー・モーダント(Penny Mordaunt)下院院内総務に対し「国益のための協力」を呼び掛けたものの同意を得られなかったため、自身としては「次期党首を支持するのが最善だと判断した」と明らかにした。

 党首選への立候補には、357人の保守党下院議員のうち100人の推薦が必要となる。ジョンソン氏も、24日の立候補の受け付け締め切りまでに必要な人数を確保しようと試みていると伝えられていた。今回の声明では、102人の推薦が集まったとしている。

 党首選が決選投票にもつれ込めば、今週中に約17万人の党員投票で選出されることになる。ジョンソン氏は、その場合、自身が勝利する可能性は「非常に高い」としながら、「ここ数日間で残念ながら(出馬は)正しいことではないという結論に達した」と説明。「議会で党が結束しなければ効果的な政治運営はできない」と述べた。

 ジョンソン氏は先月、一連の不祥事に伴い閣僚辞任が相次いだのを受け、首相を辞任。ただ、草の根のレベルでは同氏を支持する動きは強いとみられていた。一方で、党内からは出馬に反対する声も出ていた。

 スナク氏を支持しているスティーブ・ベーカー(Steve Baker)北アイルランド相は英衛星放送スカイニューズ(Sky News)に対し、「ボリスが出馬する時ではない」と断言。ジョンソン氏が首相に返り咲けば政権は数か月で崩壊するだろうとし、「大惨事になるのは目に見えている」と語った。(c)AFP/Joe JACKSON