【10月23日 AFP】総合格闘技イベント「UFC 280」が22日、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで行われ、ライト級王座決定戦でイスラム・マカチェフ(Islam Makhachev、ロシア)が前王者チャールズ・オリベイラ(Charles Oliveira、ブラジル)を2回サブミッションで破り、王座を獲得した。

 マカチェフは試合開始直後から圧力をかけ、初回に強烈な左ストレートをヒットさせると、グラウンド勝負に移行してからも試合の主導権を握った。最後は2回3分16秒、右フックでオリベイラをダウンさせてからの肩固めでタップを引き出した。

 31歳のマカチェフはこれで通算23勝1敗。「この瞬間のために厳しいトレーニングを積んできた」と話し、「自分の人生を通じて、子どもの頃からこの瞬間のために準備してきた」と喜んだ。

 マカチェフはキャリアを通じて、UFC歴代最強との呼び声も高い同胞ハビブ・ヌルマゴメドフ(Khabib Nurmagomedov)氏とともにトレーニングを行ってきた。現在は一戦を退いたヌルマゴメドフ氏は、29戦無敗を誇った自身の現役時代を映したかのような内容に顔をほころばせ、試合後にはマカチェフからベルトを渡された。

 バンタム級タイトルマッチでは、王者アルジャメイン・スターリング(Aljamain Sterling、米国)が元王者TJ・ディラショー(TJ Dillashaw)との同胞対決に勝利した。

 左肩に問題を抱えて試合に臨んだディラショーは、肩を脱臼したように見える状態のままで、ほとんどなすすべがなく、決着は時間の問題だった。最後は2回3分44秒、スターリングがテークダウンからマウントを取り、パウンドを浴びせたところでTKOが宣言された。

 バンタム級のピョートル・ヤン(Petr Yan、ロシア)対ショーン・オマリー(Sean O'Malley、米国)の一戦は、11位のオマリーが元王者で現1位のヤンを判定2-1(28-29、29-28、29-28)で破った。

 試合はヤンの方が打撃でダメージを与えているように見え、テークダウンの数でも確実に圧倒していたが、最終3ラウンドに攻勢に出てきたオマリーに右目の辺りをカットさせられ、激しく出血した。

 以前からUFCの次期スター候補とみられているオマリーは「正直、どちらに転んでもおかしくなかったと思う。格闘技は世界一クレイジーなスポーツだ」と話した。(c)AFP