【10月22日 AFP】イタリアのセルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領は21日、極右政党を率いるジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)氏(45)を首相候補に指名した。同国初の女性首相が誕生する。

 メローニ氏が党首を務める「イタリアの同胞(FDI)」は、欧州連合(EU)懐疑派かつ反移民を掲げる極右政党で、過去に政権を担ったことはない。同氏の首相候補指名は、ユーロ圏第3位の経済大国であるイタリアにとって歴史的な出来事となった。

 FDIは先月25日の総選挙で第1党となったものの、得票率は26%で、単独では政権を樹立できない。同党と連立を組む右派「フォルツァ・イタリア」と極右「同盟」の得票率はそれぞれ8%と9%だった。

 メローニ氏は、22日に発足する新内閣の人事を発表。その顔触れは、同盟国を安心させたいとの思惑をにじませるものとなっている。

 24閣僚のうち、6人に女性を起用。経済相には、マリオ・ドラギ(Mario Draghi)前首相の政権で経済発展相を務めたジャンカルロ・ジョルジェッティ(Giancarlo Giorgetti)氏を任命した。ジョルジェッティ氏はマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)氏率いる「同盟」に所属しているが、同党の中では比較的穏健で、親EU派として知られている。

 サルビーニ氏は、インフラ・運輸相兼副首相を務める。外相兼副首相には、欧州議会(European Parliament)元議長でフォルツァ・イタリア所属のアントニオ・タヤーニ(Antonio Tajani)氏が起用された。

 メローニ氏はEUに懐疑的な立場をとりつつも、他のEU加盟国や米国と歩調を合わせ、ウクライナを支援する姿勢を堅持。イタリアは欧州と北大西洋条約機構(NATO)の「誇り高き」一員だとも発言している。

 選挙運動で「神、国、家族」とのスローガンを掲げたことで、同国の人権問題をめぐる状況を後退させるとの懸念も呼んだが、自党のネオファシズムの過去や、自身が10代の頃に独裁者ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)を称賛していたことからは距離を置き、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いをしながらも、脅威とはならない指導者としての印象を与えようと努めている。(c)AFP/Gildas Le Roux and Clement Melki