【10月21日 AFP】チュニジアの3歳女児が両親とはぐれ、他の不法移民と共に独りでボートでイタリアに到着した。チュニジア当局が20日、明らかにした。

 国境警備隊の報道官は記者団に、捜査が開始されたと述べた。女児の両親は、国境を不法に越える目的で犯罪組織に加わった疑いで拘束されているという。

 女児は両親と兄(7)の4人家族。一家はチュニジアの港湾都市サヤダ(Sayada)から約150キロ先の伊ランペドゥーザ(Lampedusa)島を目指す予定だった。

 チュニジアからの不法移民を追跡する人権団体FTDESによると、父親は船上にいた密航業者に娘を引き渡し、遅れていた妻と息子を手伝うため引き返している間に船が出航してしまった。

 FTDESと内務省によると、チュニジア東岸地域で露天商を営んでいた両親は、イタリアに渡るため2万4000チュニジア・ディナール(約110万円)近くを密航業者に支払っていた。

 今年1~8月にイタリアに渡ったチュニジア人移民は約1万3000人に上る。うち2600人以上が未成年者で、その3分の2以上は保護者が同伴していなかった。

 政府統計によると、今年これまでに国境を越えようとして阻止された移民は2万2500人以上で、そのおよそ半数はチュニジア以南のアフリカの出身者だった。

 経済危機が続くチュニジアでは、国境を越えようと試みる人が増えている。(c)AFP