【10月21日 AFP】シリアを訪問中のロシアの代表団は20日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」構成員の子どもとされる38人を帰還させた。クルド自治区当局が明らかにした。

 同自治区の外務担当ハリド・イブラヒム(Khaled Ibrahim)氏は、シリア北東部カミシリ(Qamishli)での記者会見で、子どもの大半は孤児だったと述べた。

 AFP特派員によると、子どもたちはクルド人勢力が運営するアルホル(Al-Hol)とロジ(Roj)の避難民キャンプから、カミシリにあるクルド人支配下の空港に連れていかれた。ロシアの厳重な警備の中、飛行機に乗り込んだという。

 クルド人勢力は2019年、米軍の支援により最後の拠点からISを掃討。ISと結びつきがあるとされるシリア人や外国人を多数拘束した。外国人戦闘員は刑務所に、ISと関係のある女性と子どもは過密状態のキャンプに収容された。

 フランスも20日、子ども40人と女性15人をシリアのキャンプから帰還させたと発表している。

 クルド人勢力は各国に対し、過密状態のキャンプから外国人を引き取るよう繰り返し求めている。しかし、国内の治安悪化や政治的な反発の恐れから、ほぼ無視されている。帰還した人数は限られており、大半は子どもだ。

 ロシア当局によると、IS戦闘員になったロシア人は4500人近くに上った。

 ロシア南部チェチェン(Chechen)共和国のラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長の主導により、シリアから女性と子どもが初めてロシアに帰国して以来、2018年から21年末までに帰還したロシア人は少なくとも314人に上った。その大半が孤児だった。(c)AFP