【10月22日 AFP】ウクライナの首都キーウ。芝刈り機のような音を立てながら飛行する白い物体が、標的目がけて青空を斜めに落下していく。路上にいた警察官たちは銃で撃ち落とそうと発砲した。

 自爆型ドローン(無人機)が人けのない通りで爆発し、茶色い煙がもうもうと立ち上る。数人の市民が、路上をこわごわ移動したり、建物の壁に身を寄せたりしながらその様子を見ていた。

 当局によると今月17日、キーウ市内で起きた無人機攻撃では少なくとも4人が死亡した。

「私たちはここに30分ほどいる。その間に無人機が4機落ちてきた」。カラシニコフ銃を撃った後、興奮さめやらぬ様子でヤラスロウ巡査は話した。「少し怖い。でもこれも職務だ」

 キーウ中心部、午前8時13分。同日は午前6時30分からそれまでに4回攻撃があった。ここシェフチェンコ(Shevchenko)地区への攻撃としては2回目だ。

 ヤラスロウ巡査らは交差点を封鎖。パトカーが止まっている場所から100メートル程度先が1回目の攻撃地点だった。

 AFP取材班は個々の標的については確認できなかった。

 最初の攻撃地点にはやじ馬が集まっていた。現場からはまだ煙がたなびいている。突然、叫び声が上がり、住民たちはパニックに陥った。空を見上げる人もいれば、逃げようと駆け出す人もいる。

 最初は遠かった無人機の音が、はっきりと聞こえてきた。上空数十メートルの高さだが、よく見える。ダーツの矢の先のような形をした白い機体が建物の上を飛んでいく。

 この地区にいた警察官や兵士らと一緒に、ヤラスロウ巡査も機体へ向けて発砲し始めた。辺りに自動小銃の銃声がパラパラと響く。

 だが200メートル先の上空を斜めに飛行していく無人機に命中した形跡はない。そして爆発音が響いた。

 それから10分もしない午前8時20分頃。同じ光景がまた繰り返された。この地区で3回目の攻撃だった。AFP記者には、最初の攻撃の警報しか聞こえなかった。