【10月20日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相(86)は19日、長年の盟友、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領から誕生日プレゼントにウオッカを贈られたと明かした。ウクライナへの武器支援についても懸念を示すなど、またもや物議を醸している。

 伊メディア、ラプレッセ(LaPresse)は18日、今週行われた、ベルルスコーニ氏率いる中道右派政党「フォルツァ・イタリア(FI)」の会合で録音されたとする音声の抜粋を公開した。

 ベルルスコーニ氏はその中で「プーチン大統領と少しばかり旧交を温めた。私の誕生日にウオッカ20本と、心のこもった手紙を贈られた」「お礼に(赤ワインの)ランブルスコ(Lambrusco)を何本かと、同じくらい心をこめた手紙を返した」と述べている。

 これについて同氏の広報担当者は、プーチン氏との関係を復活させたわけではないと釈明。ベルルスコーニ氏自身もエピソードを披露する際、「何年も前の古い話だ」と断りを入れていた。

 しかし、同氏はエピソードを紹介する直前、ウクライナを支援するために武器や資金を提供することへの懸念を表明。公開された音声には含まれていないが、プーチン氏を「平和の人」とも呼んでいた。

 ベルルスコーニ氏は19日に声明を発表し、「ウクライナ危機など国際政治の主要問題」に関し、自身とFIの立場が「イタリア政府(および)欧州連合(EU)の立場から逸脱することはない」と表明。「ウクライナの権利が十分に守られなければ、平和は達成できない」と述べた。

 先月のイタリア総選挙で第1党となった極右「イタリアの同胞(FDI)」のジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)党首は、ウクライナ侵攻をめぐるEUの対ロシア制裁への支持を強く打ち出している。ただ、連立政権に参加するとみられているベルルスコーニ氏と、極右「同盟」のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)書記長はロシアとの関係が深く、今回の問題も右派連合に影響を与える可能性がある。(c)AFP