【10月20日 AFP】インドネシアのサッカースタジアムで133人が死亡した事故から数週間が経過する中、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が同国サッカー協会役員とのサッカーの試合で笑みを見せ、ハイタッチしている写真が投稿され、インターネット上では大きな怒りを呼んでいる。

 東ジャワ(East Java)州で1日に行われた1部リーグの試合後、警察はピッチに入ったファンの沈静化を図って催涙ガスを放った。この結果40人以上の子どもも犠牲となり、サッカー史上最悪の群集事故の一つとなった。

 18日に首都ジャカルタで会談したインファンティーノ会長とインドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は、安全性を強化し、悲劇を繰り返さないために事故現場となったカンジュルハン・スタジアム(Kanjuruhan Stadium)を再建すると約束していた。

 しかし、同国サッカー協会(PSSI)は19日の朝、批判を浴びているモハマド・イリアワン(Mochamad Iriawan)会長とインファンティーノ会長がジャカルタでサッカーをしている写真をツイッター(Twitter)に投稿した。

 ツイッターで190万人のフォロワーを持つ同国の俳優ビノ・G・バスティアン(Vino G. Bastian)氏は、「一緒にサッカーをするのではなく、カンジュルハンの悲劇の被害者の家を共に訪問する方がより良い。そちらの方がもっと重要だ」と記し、この投稿には3万以上の「いいね」がついた。

 同国の人気サッカーアカウントで、60万人のフォロワーを持つ@PanditFootballは「133人が亡くなった。それなのに会長はここに来て、サッカーを楽しみ笑っている? カンジュルハンでサッカーを楽しんだらどうだ? FIFAは恥を知れ」とツイートし、この投稿は6000回以上もリツイートされている。

 2桁以上のリプライを得ることがほとんどないPSSIのアカウントだが、この投稿には8000近くのリプライが届き、そのほとんどがネガティブな内容だった。

 解説者のパンゲラン・シアハーン(Pangeran Siahaan)氏は、試合を開催した協会関係者は「非常に無神経」だと述べた。

 同氏はAFPに対し、「批判を浴びているPSSIと会長が、FIFAの会長と一緒にボールを蹴って笑っているところを撮影させることが、正当性を示す上で最善の策だと考えたのが信じられない」とコメントした。

 事故の調査を担当する作業部会は前週、元ジャカルタ警視庁本部長であるイリアワン会長に対し、PSSIの他の執行委員会メンバーと共に辞任するよう求めていた。

 18日午後に行われた試合に関し、PSSIは取材に応じなかった。(c)AFP