【10月21日 Xinhua News】中国企業がヨルダンでクリーンエネルギー開発を後押ししている。中国電力大手、中国長江三峡集団傘下の三峡国際能源投資集団は、ヨルダン南部の砂漠にあるショーバック風力発電所を管理運営している。同社の江崧瑋(Jiang Songwei)技師によると、風力発電所は2021年に稼働し、年間約1億5千万キロワット時のクリーンエネルギーをヨルダンに供給する能力を備えている。

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 ヨルダンは鉱物資源が比較的乏しく、エネルギーは長期にわたり輸入に依存してきた。ここ数年、クリーンエネルギー開発を強く提唱しており、同国エネルギー・鉱物資源省は、エネルギー生産全体におけるクリーンエネルギーの割合を22年7月時点の約29%から30年には50%まで高めることを目指している。

 同集団ヨルダン新エネルギープロジェクトのトップを務めるモハマド・アブ・アティー氏は、ヨルダンで太陽光発電・風力発電プロジェクトに投資し、建設を請け負う中国企業が増えており、これはヨルダンのグリーン(環境配慮型)発展ビジョンの実現にとって有益だと表明。同集団は風力発電プロジェクト2件と太陽光発電プロジェクト1件を展開しており、総設備容量156メガワットで、年間4億4千万キロワット時のグリーン電力を供給できると述べ、二酸化炭素(CO2)排出削減や水の節約にも役立ち、契約期間だけで約773万トンのCO2排出を削減し、1350万立方メートルの水資源が節約できると予測した。

 ヨルダン南部の砂漠には豊かな太陽光資源もある。21年、中国電力建設集団子会社の山東電力建設第三工程が請け負った24メガワットの太陽光発電プロジェクトが着工。中国企業が同国で請け負う初の太陽光発電所となった。中国側責任者の鄭洪志(Zheng Hongzhi)氏はプロジェクトについて、中国の太陽光発電設備と技術を採用し、現地で大量の雇用機会を創出していると述べた。

 ショーバック風力発電所の現場担当者であるマフムド・アルハマイディ氏は「中国企業が参加するクリーンエネルギープロジェクトは地元の人々に確かなメリットをもたらしている」と述べ、同発電所だけで約3万世帯の電力需要を満たすことができ、100人余りの雇用を創出していると語った。

 同発電所の現場保守技師、ネザール・アルホシャマン氏は「中国の同僚らとプロジェクトの技術経験を話し合うことで、私の技術レベルが大きく向上した。プロジェクトは順調に進んでおり、中国企業の参加でわれわれのグリーン発展の夢が現実になりつつある」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News