【10月19日 AFP】サッカーブラジル代表のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が、スペイン1部リーグ・FCバルセロナ(FC Barcelona)移籍をめぐる不正疑惑で訴えられている裁判で、ネイマールが18日、自身は父親から渡された書類に署名しただけで、違法なことは何もしていないと主張した。

 ダークスーツと白いシャツ姿でバルセロナの地方裁判所に出廷したネイマールは、契約交渉については「常に父の担当」だとし、「私は父に言われたものにサインする」と話した。

 ネイマールは2013年にカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のサントスFC(Santos FC)からバルセロナに渡ったが、その2年前の2011年にはバルセロナとの間で事前に取引が行われていた。

 この取引につながった交渉について、ネイマールは自身が出席していたかは覚えていないと発言。父親も「ネイマールが交渉に同席することはない」と述べた。

 検察は禁錮2年と罰金1000万ユーロ(約14億6600万円)を求刑している。ただしスペインでは、有罪となった場合でも、初犯であれば2年以下の禁錮刑が実際に執行されることはない。

 検察は、サントス在籍時にネイマールの権利の40パーセントを保有していた投資ファンドDIS社の提訴をきっかけに、2015年に捜査を開始した。DISは、ネイマール側とバルセロナ、サントスが共謀して移籍にかかった実際の費用を隠し、自分たちから正当な利益をだまし取ったと主張しており、3500万ユーロ(約51億5000万円)を取り戻すことを目指している。

 ネイマールは2017年にフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)へ移籍し、現在は同チームでプレーしている。証言後、裁判所はネイマールと家族がすぐにパリへ戻り、10月31日が見込まれる裁判の終了にはオンラインで参加することを認めた。(c)AFP/Rosa SULLEIRO