【10月18日 CNS】中国・上海市では少なくとも6000人以上の高齢者向けソーシャルワーカーが必要とされている。だが、現状では3000人以上も不足している。このため、上海開放大学(Shanghai Open University)、上海市老齢協会、市社会福祉士協会が共同で「第1回上海大学生ソーシャルワーカー養成コース」を初開催し、上海市内の大学など18校から約200人の大学生が参加した。

 養成コースに参加した上海政法学院(Shanghai University Of Political Science and Law)3年でソーシャルワーク専攻の張憶騁(Zhang Yicheng)さんは「ソーシャルワーカーについては大学で学んできたが、高齢者の介護分野は学んだことがなかった。この研修に参加したことで、社会福祉と高齢者介護の関係や高齢者介護についてより理解できた」と話す。

 上海市関係部門の共同調査によると、2021年末現在で、上海市内在住の60歳以上の高齢者は542万2200人に達し、登録人口の36.3%を占めている。

 社会の発展に伴って、高齢者向けのサービスは日常的な介護にとどまらなくなっており、高齢者向けソーシャルワーカーの重要性は高まっている。

 コースを共催した上海開放大学の共産党書記である楼軍江(Lou Junjiang)氏は、「コースを受講した学生たちが高齢者向けのサービス産業やソーシャルワークを理解することによって、将来、高齢者向けサービス産業に就職する若い人材も増えるだろう」と語った。

 今回申し込んだ310人の学生のうち、約3分の2が大学生で、うち5割が社会福祉専攻の学生。残りの3分の1は、高齢者福祉の現場でさまざまな業務に携わっている担当者たちだった。(c)CNS/JCM/AFPBB News