【10月17日 AFP】ポーランドの首都ワルシャワで15日、「ロシア大使館をポーランドに併合すべきかどうか、その是非を問う住民投票」が行われた。ロシアがウクライナ4州の併合を一方的に発表したことへの抗議行動として、人権団体や女性団体、ウクライナ支援団体などが共同で企画した。

 主催者は4州の併合に触れ、「われわれもこれに倣い、ワルシャワにあるロシア大使館の併合に関する住民投票を実施することにした」と発表。先日ソーシャルメディアで、バルト海(Baltic Sea)に面したロシアの飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)をチェコに併合しようというジョークが拡散したことにも言及した。

 ロシアは4州の併合について、占領地での住民投票の結果に基づいた決定だと主張しているが、西側諸国は「偽物」の住民投票だとして認めていない。

 ワルシャワでの「住民投票」は宮殿風のロシア大使館の前で行われ、青と黄のウクライナ国旗や「Terrorussia(テロロシア)」「ウクライナから手を引け」と書かれたプラカードを手にした人々が長蛇の列をつくった。8月に祖国を離れ、ウクライナへの支持を表明するために参加したというロシア人男性(46)の姿もあった。

 主催者によると、投票は「ポーランドはロシア大使館を併合すべきか」を問うもので、投票用紙に用意された三つの選択肢は「賛成」のみ。「併合後」の大使館の用途として、難民宿泊施設、文化センター、動物園、公衆トイレなどが提案された。

 投票者数は、主催者発表で約3000人。ウクライナ出身でワルシャワ在住の女性弁護士(33)は、「銃やミサイルの下で行われたウクライナ占領地での住民投票より、ずっと民主的なアイデアだ」とAFPに語った。(c)AFP