【10月18日 CNS】現在、日本で暮らす若者の間では、中国のSNSプラットフォームを使って、日本での生活や文化を発信する人が増えている。数十年前では、中国から2000キロ以上離れた日本に、中国のセルフメディアに仕事の重きを置き、人気を博す人がいるとは想像もつかなかっただろう。

「日本頭条(JPTOP News)」の報道によると、日中国交正常化から50年、両国の民間交流はますます盛んになり、コミュニケーションのチャンネルも豊富になっている。インターネット時代において、インターネットは相互理解を深めるための避けて通れないチャンネルとなった。抖音(Douyin)、ビリビリ動画(bilibili)、小紅書(Red)等、中国のSNSプラットフォームの台頭は、海外でも大きな反響を呼んでいる。

 2020年8月早々、日本人元モデルの大塚シノブ(Shinobu Otsuka、愛称:阿忍<A Ren>)さんが小紅書に参入した。彼女が最初に投稿したコンテンツは、そのシーズンの夏服の着こなしだった。白と黒のノースリーブに、ドレープ性のあるパンツを着用した阿忍の着こなしが、中国語の字幕付きで紹介されている。かつて、日本のファッション雑誌の着こなしが多くの中国の若者の間で大人気を博し、多くの若い女の子が日本のファッション雑誌を持っていることを自慢していた時代があった。そして今、SNSプラットフォーム上で、多くの中国人が日本のファッションに再び目覚めている。中国のネットユーザーはコメント欄で、「今まで雑誌でしかあなたを見たことがなかったから、とても嬉しいです。頑張って」とエールを送っていた。阿忍も、それに対して中国語で返事をする。

「シェア」は、阿忍の小紅書のメインテーマだ。例えば、女性に良いスキンケア用品や化粧品をお勧めしたり、健康法やジュエリーアイテムを紹介したりしている。しかし、阿忍の動画の中でコメントが多いものは、彼女が中国を見て感じたことに関するシェアだ。中国各地を訪れ、たくさんの思い出を作ったことが、自分の宝物になっていると語る阿忍。現在、阿忍は小紅書に何百ものショートビデオを投稿し、5万人近いフォロワーを抱えている。

 実際、わずか数年前、日本人が初めて中国のSNSプラットフォームに参入したとき、文化の違いから、中国のネット流行語やお笑いネタにはまだ馴染みがなかった。今、「参入」が進むにつれて、多くの日本人インフルエンサーが中国や中国の文化を知り、中国のホットスポットを追い求めたり、中国のネット動画のテイストに親しむようになってきている。

 大塚シノブさんのように中国のSNSプラットフォームに独自のファンを持つインフルエンサーに加え、「素人」の参入も増え始めている。例えば、清水崇光という日本人ブロガーは中国語を8年間学んだ経験があるので、彼の動画は中国のネットユーザーに日常生活で使える日本語を教えることに重点を置いている。2021年7月に小紅書に正式参入したばかりだが、週1回の更新ペースで、現在8万人のフォロワーがいる。

 日本のアイドルや一般市民だけでなく、最近では大阪府、埼玉県、広島県など日本の複数の自治体も、観光、経済、防災など様々な目的で中国のSNSプラットフォームに公式アカウントを開設するようになった。例えば、2017年10月に日本市場に参入したばかりの抖音は、2018年末までにすでに950万回ダウンロードされている。当初は中学生に人気だった抖音が、今ではより広まっている。

 SNSプラットフォームは日中間のより良い相互理解とコミュニケーションのための新たな窓口になりつつある。(c)CNS/JCM/AFPBB News