【10月14日 AFP】バルト3国のラトビアは13日、ベラルーシとの国境で子どもを含む移民と難民を虐待しているとする国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の報告書を「でっち上げ」だと否定した。

 欧州連合(EU)の東端に位置するラトビア、リトアニア、ポーランドでは2021年夏以降、主に中東からの大勢の移民が流入したり、入国を試みたりしている。

 EUは、ベラルーシがEUによる経済制裁への報復として、中東から呼び寄せた移民を送り込んでいると非難している。一方、ベラルーシとその同盟国ロシアは、EUが庇護(ひご)を求める移民を受け入れていないと非難している。

 アムネスティは12日に公開した報告書で、ラトビアが大勢の移民に対し、「性器などに殴打や、テーザー銃による電気ショック」を加えていると主張した。

 アムネスティは13日、「ラトビア当局はベラルーシとの国境で移民と難民を暴力的に押し返している。大勢の人が秘密裏に拘束され、拷問を受けるといった重大な人権侵害を受けている」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 報告書には国境で数か月間足止めされているとする移民と難民の証言が含まれている。イラク出身のハサンさんは「(ラトビア当局は)私たちを裸にして殴り、ベラルーシに強制的に押し戻すこともある。戻らねば撃つとも言われた」と述べたとされる。

 ラトビアのエドガルス・リンケービッチ(Edgars Rinkevics)外相は「ラトビアはこのでっち上げの誹謗(ひぼう)中傷を認めない」とツイート。「アムネスティは以前から信用を失っており、今回の報告書によってかつて高く評価されていた人権団体の完全な凋落(ちょうらく)が改めて証明された」と非難した。

 アムネスティは8月4日付のプレスリリースで、ウクライナが住宅地に軍事基地を設置し、民間人を危険にさらしていると非難。

 これに対しウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、アムネスティが「加害者から被害者に責任転嫁」しようとしていると反論していた。(c)AFP