【10月16日 People’s Daily】中国南西部の雲南省(Yunnan)漾濞イ族自治県(Yangbi Yi Autonomous County)の光明村は標高2000メートルに位置し、雲海に覆われていることから、「雲の上の村」と呼ばれている。

 村は「中国クルミの里」としても有名だ。村に足を踏み入れると、背の高いクルミの木が林立し、それぞれ登録札が掛けられている。村の中心部には樹齢1165年を誇る「クルミの神樹」がそびえ立つ。樹齢100年以上のクルミが1万本、200年以上の木も約6000本ある。

 光明村では304世帯が生活している。交通網が発達しておらず、耕地が狭い悪条件の中、クルミ産業が村の経済を支えてきた。しかし2013年からクルミの価格が下落すると、若者が出稼ぎで村を離れるように。そこで村は2015年から、エコツーリズムに活路を開いた。

 見渡す限りのクルミの木や雲海といった景観をPRし、観光客を誘致。村人は自宅を改装し、民泊や郷土料理を始めた。料理のメニューは村内で調整しあい、各店ごとに山菜、キノコ、ヒツジ、牛、豚、クルミといった食材を使った特別メニューを考案した。1974年生まれの査守麗(Zha Shouli)さんは「うちは毎朝、山に行って山菜を摘み、自宅で飼育している鶏と豚の料理を出しています。商売は繁盛していて、家を最近新築しました」と笑みを浮かべる。

 光明村は2019年、網紅(ネットスター)と呼ばれるインフルエンサーが訪れる「網紅村」として注目を集め、ピーク時には1日5000人の観光客が訪れるようになった。2020年には農業農村省の「中国の美しいレジャー村」に選ばれた。最近は、出稼ぎをしていた若者が起業を目指して村に戻るように。クルミを売る代わりに「景色を売る」ことで、光明村は未来を照らし出す「光明」を見つけ出した。(c)People’s Daily/AFPBB News