船を家として、海で暮らす「疍家人」 中国・海南、観光とセットに文化継承図る
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【10月15日 People’s Daily】中国南部の沿岸では、「疍家人」(だんかじん)と呼ばれる人たちが何百年もの間、船を家として海上に住み、漁業で生計を立ててきた。漢民族に属する疍家人は先祖代々、陸地と異なる独自の風習を形成し、水上婚や疍家民謡などの文化を生み出してきた。
中国最南端に位置する海南省(Hainan)の陵水藜族自治県(Lingshui Li Autonomous County)には、海鷹村、海鴎村、海燕村などの疍家人たちの海上集落がある。1475隻の船で5000人以上が生活し、屋形船の横に「田」の字の形をした養殖いかだが並んでいる。
「スズメは小さくとも五臓六腑(ろっぷ)すべてが備わっている」と言うように、屋形船にも居間、寝室、台所、トイレがそろっている。観光客へのレンタル用や子どもの学習室用、売買用の屋形船もある。漁師は早朝に魚を捕まえ、港で売買する。家族は漁獲物の選別、いかだの洗浄、漁網編みなどをしている。1年中、海を漂う疍家人の間で伝わる「咸水(塩水)歌」は、海南省の民俗文化を代表する民謡の一つだ。
陵水藜族自治県は疍家文化の保護と継承のため、「文化+観光」という産業モデルを立ち上げている。自然と共に生きてきた疍家人の生活を学び、海のレジャーも楽しむ「文化観光」で観光客を引きつけ、エコロジーと経済活性化の両立を目指す。
深刻な水質汚染や漁業資源の乱獲など、疍家人の生活環境を巡ってはさまざまな問題もあった。近年は環境が大きく改善され、多くの観光客が訪れるようになった。港では「海南疍家博物館」が建設中で、疍家人の民泊ビジネスも加速している。周辺の観光資源とタッグを組んで地域の活性化を進めていく。
海南省党委員会の沈暁明(Shen Xiaoming)書記は「陵水藜族自治県は疍家文化の継承と発展という重要な任務を担っている。文化観光プロジェクトを通じて、豊かな疍家文化を後世に引き継いでいきたい」と話している。(c)People’s Daily/AFPBB News