水利ネットワークをつくり、治水によって人々に恩恵をもたらす 中国
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【10月14日 People’s Daily】黄河の南、長江の北に位置する淮河(Huai River)は、中国中東部地域の重要な河川であり、新中国初の総合的かつ体系的に整備された大河川でもある。先日、淮河入海水路の第2期工事が正式にスタートし、淮河整備における新たな転機が訪れた。総投資額は約438億元(約8940億円)で、淮河整備の70年以上の歴史の中で、個別の治水プロジェクトとしては最大規模となる。
淮河入海水路の第2期工事は、国家水利ネットワーク建設の縮図とも言える。2022年に入ってから、多くの重点水利プロジェクトの重要ノードの連結が次々と実現し、水利インフラネットワークの建設が全面的に推進され、国家水利ネットワークの建設も加速度的に進められている。中国水利部のデータによると、2022年1月から6月まで、国家水利建設の投資額は4449億元(約9兆830億円)に上り、前年同期比で59.5%増となった。新たに着工した水利プロジェクトは1万4000件に達し、そのうち、750ものプロジェクトが1億元(約20億円)以上の投資規模となるという。「完全なシステム、安全・信頼、集中的で効率的、グリーンインテリジェンス、スムーズな循環、秩序ある規制」という特性を誇る国家水利ネットワークは完成に近づいている。
なぜ、国家水利ネットワークを構築したのか?空間的には、長江流域とその南の地域は、国内の水資源の81%を占め、長江流域より北の地域は19%にすぎない。時間的に見ると、中国の1年間の降水量の6〜7割は、増水期の3〜4カ月に集中する。「夏は増水、冬は渇水、北は不足、南は豊富という水資源の偏在の問題を解決するためには、国家水利ネットワークの建設が不可欠だ」と、中国水利部企画計画局の喬建華(Qiao Jianhua)副局長は語った。
中国北部の内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)では、チョル川と西遼河が、南と北の2本の平行な玉帯のように、曲がりくねって流れている。チョル川には建設中の高さ48メートルのウェンデゲンダムがそそり立ち、西遼河流域の水不足を解消するための引綽済遼プロジェクトの「大きな水がめ」とも呼ばれている。全長390キロを超える同プロジェクトは、給水管、トンネル、暗渠(あんきょ)、逆サイフォンなどを通じて、チョル川と西遼河が草原で「手をつなぐ」ようにした。「プロジェクト完成後の年間平均取水量は4億5400万立方メートルに達し、9つの旗県市区と11の工業団地に水を供給できる見込みだ」と、内モンゴル自治区水務投資グループの党委員会副書記・社長の錫林(Xi Lin)さんは述べた。
また、国家水利ネットワーク重点プロジェクトは、産業チェーンが長く、大規模な投資を吸収し、雇用を促進し、マクロ経済の大局の安定に重要な役割を果たす。上半期の水利建設事業では、累計130万人の雇用を吸収し、安定成長と就業保障のための力強い支えとなっている。(c)People’s Daily/AFPBB News