【10月12日 AFP】テニスの四大大会(グランドスラム)初戦、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)の大会責任者を務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏が12日、ビザ(査証)の問題で今年の大会に出場できなかったノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、来年の大会への出場に意欲的だと明かしつつ、政府との「状況を解決」できるかは本人次第だと話した。

 今年の大会では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを接種していないジョコビッチが、ビザの問題でいちかばちかの法廷闘争を行った末、国外退去を命じられた騒動が暗い影を落とした。

 ジョコビッチは現在、3年間のオーストラリア入国禁止処分を科されている。豪では当時の保守連合から中道左派へ政権が交代しており、政府の裁量でジョコビッチの処分が取り消される可能性もあるが、現在のところ政府は取り消しを検討している気配を見せていない。

 次回大会が正式に立ち上げられたこの日、タイリー氏は豪紙エイジ(Age)で、ジョコビッチと最近話をし、同選手が9度の優勝を誇る全豪オープンに出場したがっていることを明かした。

「現時点で言えるのは、ノバクと連邦政府が状況を解決する必要があるということだ。その後、何か指示があれば、われわれはそれに従う」

「レーバー・カップ(Laver Cup 2022)で実際に彼としばらく一緒に過ごし、大まかに話をした。オーストラリアへはぜひ戻りたいと言っていたが、最終判断は連邦政府が行うことも彼は分かっている」

 ジョコビッチが追放された当時の内相で、現在は野党議員のカレン・アンドリュース(Karen Andrews)氏は、豪ABCラジオで、ジョコビッチを特別扱いするべきではないと話している。

 一方でタイリー氏は、ウクライナ侵攻に関与しているロシアとベラルーシの選手については、両国の選手の出場が禁止された今年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)とは異なり、中立の立場での参加が可能だとの見込みを示した。(c)AFP