【10月12日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は11日、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長と会談し、ウクライナ南部のロシア軍支配地域にあるザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所について、「対話の用意がある」と述べた。

 会談に先立って両者が言葉を交わす様子がテレビで放送された。プーチン氏はその中で、「互いの利益になる、もしくは懸念要因となっているすべての問題について協議する用意がある。例えばザポリージャ原発の状況がそれに当たる」と語った。

 IAEAは会談後に出した報道発表文で、グロッシ氏が今週中にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領とも同国の首都キーウで会談し、ザポリージャ原発について話し合う予定であることを明らかにした。

 グロッシ氏は先週もゼレンスキー氏と面会し、原発周辺に安全区域を設ける方向で協議していた。

 IAEAによると、グロッシ氏はここ数週間、安全区域の早急な設置に向け、ウクライナ・ロシア両国と集中的に協議している。

 グロッシ氏は発表文の中で、ザポリージャ原発は相次ぐ攻撃により安全性が脅かされており、状況は「ますます危険で不安定、困難なものになっている」と説明。「これ以上時間を失うわけにはいかない。リスクは大きい」とし、原発事故の回避に向け注力する必要があると強調している。

 映像は全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社(VGTRK)による代表撮影。(c)AFP