【10月13日 Xinhua News】中国青海省(Qinghai)の西寧野生動物園では2017年からヒマラヤハゲワシの人工繁殖・飼育を行っている。園内では現在、18羽が飼育されており、うち5羽は人工繁殖で育った。

 ヒマラヤハゲワシは大型の猛禽類で、中国の国家2級重点保護野生動物に指定されている。腐肉を主食とし、中国では主に青蔵高原と周辺地域に分布している。

 2月1日、同動物園のヒマラヤハゲワシのつがいが猛禽谷の築山の頂上で卵を産んだ。卵は約60日間かけてふ化し、4月1日早朝、ひなの「六毛球(毛球は毛玉の意)」が殻を破って外に出た。4日後、別のつがいの卵もふ化し「七毛球」と名付けられた。「六毛球」は、中国で初めて親鳥に育てられた人工飼育下のヒマラヤハゲワシになる。

 同動物園の斉新章(Qi Xinzhang)副園長によると、ヒマラヤハゲワシは警戒心が強く、繁殖には厳しい条件が求められる。動物園の職員は今年、ハゲワシの良好な繁殖環境を整えるため、猛禽谷の斜面の頂上にムギクサや枝などで人工の巣を作り、産卵に適した平地も整備した。現在、「七毛球」の体重は約10キロで、大きさは人工飼育で7~8カ月相当の状態に育った。

 斉氏は「次の段階では、ヒマラヤハゲワシの人工繁殖・飼育の経験と教訓をまとめ、他の猛禽類でも繁殖を進展させたい」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News